令和3年5月の読書感想文。
最後の更新が、昨年の9月!
随分と長く放置していたものです。
折角細々と続けてきたブログ。再開する一歩として、今日はイギリスとは関係のない本の話をしたいと思います。
私は趣味のひとつが読書で、3日に1冊のペースで本を読んでいます。
ビジネス本も仕事に関係すれば(渋々)読みますが、基本小説が好きなので、あくまでもエンターテインメントとして読書しています。
インスタグラムのストーリー上で読んだ本を随時紹介していますが、文字数の関係もあってなかなか深いところまで書くことができないので、ブログでもちょっとずつ書いていこうと思ったところです。
さて、つい昨晩読んだ本「夫のちんぽが入らない」。
タイトルが衝撃的なので、耳にしたことがある方も多いかと思いますが、こちら著者・こだま氏による、2017年に発表された私小説。かなり話題になりました。
私自身もタイトルこそ知ってはいましたが、いかんせん、このタイトルです。そんでもって著者の実体験ときた。読もうとはなかなか思えなかったんです。
でも、急に読んでみたくなったという。
さて、本題へ。
この本は、大学時代に出会った夫と性交渉が成立しないまま付き合いを続け、そのまま結婚に至った著者の、長年に渡る苦労が赤裸々に語られています。
内容は是非読んでもらいたいので割愛しますが、まず↑の説明の段階で、
「ちょっと待って。4年付き合った彼と1回も成功したことないのに、結婚を決めたの?」なんて、最初で引っかかる人もいるんじゃないかなと。
実際にこの本の口コミを読むと、様々な反応があります。
「完全な作り話だろう」
「なぜ夫婦で相談して、いろいろ解決策を探さなかった
などなど、結構辛辣な言葉も並んでいます。
私が読んだ感想としては、そもそもこの本の根本的訴えは、↑にある世間の「なんで?」が、ある人にとっては「それができずに苦しい」ことであって、「なんで?の発想に行きつかない人もいる」ことであって、「普通」ってなに?なんだと思うんです。
「人には言えない苦悩」って誰にでもあります。
これってこの年になってようやく理解できつつあるところなんですが、これまで自分が誰かを元気づけようとか、励まそうとかっていう「良かれと思って精神」でかけてきた言葉によって深く傷ついた人が絶対いるわけで、でもそれって自分自身が実際に深く傷ついたからこそ理解できる部分でもあるわけです。
この「夫のちんぽが入らない苦悩」は、著者とその夫が苦しんだ結果生まれた「夫婦の形」でもあって、これがこういう形で世の中に発信されたということはとてもいいことだと素直に思いました。
この問題だけじゃなくて、なんでもそう。
どんな社会(職場、友人、家族、学校、PTA、GLBT、宗教も全部)の中でも、
「なるほど。そういう考え(形)もあるんだー」
っていうのが、当たり前のように身近にあるということが大事なんだと思います。
そこに「私はそうは思わないけどね」があっても全然いい。
生きにくさって結局ここからきているから。
みんながそれぞれの価値観とか大切にしているものとかっていうことに、
「そうか。そういう生き方も考え方も、形もありなんだね。」
から始まっていけばいいよね、と改めて思えた本でした。